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夕凪の町 桜の国 @新宿・シネマスクエアとうきゅう [映画]

夕凪の町 桜の国
監督:佐々部清
Cast:田中麗奈/麻生久美子

映画の日。朝一だったのでそこまで混んでなかったが、次の回は行列ができていた。
この映画、夕刊各紙で絶賛されていたので観に行ったのだが、これはすごい。いい。
とにかく、号泣した。

おことわり:例によって小生は見た映画のあらすじだとか見所だとかをここで素人が解説することほど 不必要なことはないと思っているので、単純に自分の基準で「これはいい!見るべき!」と 思ったものを紹介するにとどめておきたいと思う。 是非劇場に足を運び、自らの問題意識と五感でこの作品を鑑賞していただきたいと思う。 で、以下は自分なりにここから触発され、考えたこと。

単なる戦争映画・原爆映画ではない。この時期だからということではないが、
でも特攻モノや扇情お涙頂戴モノを見るくらいなら、こっちを見てほしい。
きっと、親子連れで行っても学生が行っても大人が行っても、
それぞれの立場と問題意識でリンクする部分が見つかると思う。

麻生久美子の演技はやはり期待を裏切らない、いやいい意味で裏切る名演技なのだが、
何故田中麗奈が主人公になっているか。そこに、監督のメッセージが込められているのだと思う。
そこに描かれているのは、回顧・懐古ではない、今もある問題なのだ。

「今から60年前、このように生きた人がいて、こんなドラマがあった…」
それを、我々はショーケースの向こう側の、切り取られた静止画で見るのではない。
自分の内にある「連続の1コマ」として見なければいけないのだ。

「原爆2世」だから、その血を引く者であることを強く実感するのだが、
そうではなくて、本当は我々一人ひとりも、皆先祖代々の歴史の積み重ねの上を
生きているのであり、一人欠けても成立しない連続性の中のタスキ走者なのだ。
そう考えると、今悩んで自殺したり親を殺したり子をいたぶったりすることが
実に狭い世界の悩みであることに気づかされる。

そもそも、「被爆者」かどうかということさえ、特異性を持って見ることではないんだ、
ということも隠れたメッセージであるように思えた。
何の変哲もない、たまたまそこにいたというだけの人々が、
一瞬火の海に呑まれ、命を落とし、傷を負い、「町を失い」、でもそこから
また立ち上がっていく。
敢えてピカの話題に触れないのは、身に起きた悲劇が一体なんだったのかわからないから
ということもあるが、平然を装うから、ということもある。
平然を装い、いつもどおりの日常を必死で取り戻そうとした。
必死で、生きようとした。失った人たちの分も。

「落ちたんじゃない、落とされたんだ」という言葉は重い。
最初に涙を流したのはこの場面だ。それはきっと、
自分の内に、その思いを受け取ったタスキ走者がいるからだ。
次に伝えなければならない。そう思った。


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コメント 3

気になっていた映画だったので、俺さんの意見をきいてますます興味がわいてきました。
・・・仕事の都合がつけられれば見に行きたいものです。(〃´o`)=3 フゥ
by (2007-08-01 23:41) 

俺

是非!是が非でも見ていただきたい!
by (2007-08-02 22:19) 

なつみ

見ました!
本当によかったです!ずっとなきっぱなしでした。

戦争がもたらしたものについて改めて考えさせられました。
生かされていることに感謝しつつ、自分がしっかりしないと・・・と勇気付けられもしました。
by なつみ (2007-08-09 00:37) 

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